伊藤健一郎 15年11月21日放送
それぞれの反戦旗 イマヌエル・カント
あらゆる事物は価値を持っているが、人間は尊厳を有している。
人間は、決して目的のための手段にされてはならない。
ドイツの政治哲学者、イマヌエル・カント。
彼は、その著書『永遠平和のために』の中で、
戦争を防止するための手段として、常備軍の全廃を説いた。
常備軍は時を追って全廃されるべきである。
なぜなら、常備軍は常に武器をとって立ち得る用意ができているから。
他国をして常に戰争の危惧を感ぜしめ、
このようにしてお互いに他を刺激して
無際限に兵備の優秀を競うようにさせるのである。
カントは続ける。
人を殺すため、或いは人に殺されるために雇われるというようなことは、
人間を単なる機械や道具として
他のものの手において使用することを含意すると思われる。
これは、我々自身の人格における人間性の權利に合致し得ない。
戦後70年の今、平和について真剣に考えてみてはどうでしょう。