大瀧篤 15年11月29日放送
カール・グスタフ・ユング 「創造の病」
「集合的無意識があるからこそ、
人は自分自身とも他者とも対話・理解し合えるのだ」
分析心理学を創始したカール・グルタス・ユングは言った。
この「集合的無意識」の概念は、世界中の研究者に大きな影響を与えた。
20代の頃から、ユングは多くの患者の精神病と向き合い、研究を続けていた。
ところが、彼自身が、師であるフロイトとの決別の後に心を病んでしまう。
ユングは、統合失調症に長く苦しみ、幻覚を見る経験をする。
しかし、自身の危機から脱するために研究を続けたことが、
分析心理学を体系づくることにつながった。
創造的な思想や真理を発見した人の多くは、
神経症的状態を経験している。
精神医学者エレンベルガーは、こう呼んでいる。
「創造の病」と。