2015 年 12 月 13 日 のアーカイブ

森由里佳 15年12月13日放送

151213-01
asobitsuchiya
笑いのはなし 長寿番組の言い分

長寿番組「笑点」のテーマは昔、
歌詞が歌われていたのをご存じだろうか。
作詞は、放送業界を支えた天才、前田武彦。

バラエティ番組やお笑い番組は見ないという人が増えているが、
そんな人にとって、興味深い内容だ。

 ゲラゲラ笑って見るテレビ
 ドキドキしながら見るテレビ
 メソメソ涙で見るテレビ

 色んなテレビがあるけれど
 同じ見るなら笑わにゃ損損

 笑う点ならそのものズバリ

 それはご存知それはご存知
 笑点だよ

さあ、おなじみのあの曲が、
あと30分ほどで聞こえてきますよ。

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森由里佳 15年12月13日放送

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笑いのはなし 長寿番組の由来

笑点の歴史は、1966年にさかのぼる。

番組名の由来だといわれているのは
三浦綾子のベストセラー「氷点」だが、
本当は、サントリーのPR誌に連載されたワンカット漫画だ。

あのアンクルトリスの生みの親 柳原良平が、
高視聴率を誇っていた人気ドラマにあやかってつけたタイトルを、
立川談志が気に入って、使用を願い出たのだという。

あやかるどころか、笑点は今年で50年を迎える大ヒット。
今まさに終わろうとしている今週の笑点も、
冬の寒さに冷え切った多くの人々を、
暖めてくれたに違いない。

そういえば、アンクルトリスはいつも、笑っている。

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森由里佳 15年12月13日放送

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笑いのはなし 長寿番組の大黒柱

長寿番組「笑点」の今をときめくのは、
司会者の桂歌丸だろう。

体調をくずしては番組に復帰し、
そのたびに、「しぶといな」などと
毒のある笑点流で迎えられているのは有名だ。

もちろん、この一連のやりとりについては、
毎回、多くの視聴者からお叱りがあるのだという、

しかし、今もその毒が中和されないでいるのは、
他でもない、歌丸の希望があるからだ。

「ドンドン言え。あんた方が遠慮したら番組が沈むから。
 先輩、後輩だろうと舞台の上では同じ。
 遠慮しないで来てくれ」

そんな歌丸を、メンバーは心底慕っている。

毒の裏には、愛があった。

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蛭田瑞穂 15年12月13日放送

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笑いのはなし 榎本健一と菊谷栄 その1

昭和の喜劇王、榎本健一が率いたエノケン劇団。
その座付作家に菊谷栄という男がいた。

劇団に所属した7年間に100本以上の作品を書き下ろし、
ヒット作を連発。榎本健一の黄金期をともに築いた。

しかし、菊谷はその絶頂期に戦争に招集され、
わずか2ヶ月後、中国で銃弾に倒れる。
34年の短い生涯だった。

のちに紫綬褒章を受賞した榎本健一は菊谷の墓を訪ね、
勲章を墓前に供えた。

 自分は彼のかわりに受け取ったようなものです。

榎本健一はそう語った。

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蛭田瑞穂 15年12月13日放送

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笑いのはなし 榎本健一と菊谷栄 その2

喜劇役者榎本健一と喜劇作家菊谷栄。

20代で出会ったふたりは意気投合し、
菊谷はエノケン劇団の座付作家となる。

民謡をジャズにアレンジした『民謡六大学』など
菊谷のつくる笑いは斬新さにあふれていた。

しかし、当時は第二次世界大戦前の軍国主義の時代。
脚本に対する政府の検閲は日に日に厳しくなっていた。

菊谷の脚本も『弥次喜多・親子編』では55ヶ所、
『メイフラワー』では88ヶ所もの削除命令が出た。

それだけの削除命令が出てもなお、
人々を笑わせることをあきらめない。
そこに菊谷栄の、プロの喜劇作家としての魂を見る。

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蛭田瑞穂 15年12月13日放送

151213-06

笑いのはなし 榎本健一と菊谷栄 その3

榎本健一率いるエノケン劇団の座付作家として
数々の笑いを世に送り出した、菊谷栄。

1937年、日中戦争が勃発すると菊谷に召集令状が届く。

故郷青森の部隊に入隊した菊谷は、
中国に赴くため列車で品川に向かった。

新宿で舞台に出ていた榎本はその知らせを聞くと、
客席に向かって深々と頭を下げた。

 この芝居の本を書いた座付作家が
 お国に召されて品川駅を通過します。
 どうか一時間だけ暇をくださることをお許しください。

「行ってこい!」。
観客から拍手で送り出された榎本健一は品川駅に駆けつけ、
僅かな停車時間に無二の親友を励行した。

それが作家と役者の今生の別れとなった。

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飯國なつき 15年12月13日放送

151213-07
brizzle born and bred
笑いのはなし モンティ・パイソン

1970~80年代に世界的な人気を博した
英国の伝説のコメディーグループ「モンティ・パイソン」。
 
当時の事件や哲学を題材にしたり、
同性愛や民族・宗教上の差異を扱ったきわどいネタも多く、
そのナンセンスさと毒の強さは、コメディの域にとどまらない。
 
メンバーのエリック・アイドルはこう語る。
 
 私は、コメディというのは勇気だと思います。バカをする勇気。(中略)
 コメディというのは真実を告げることができる力というものを
 持つことだと思います。だから好きなんです。

 
ゲラゲラとした笑いの裏には、
そんな覚悟が眠っている。

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飯國なつき 15年12月13日放送

151213-08

笑いのはなし マルセル・パニョル

風刺喜劇で知られるフランスの劇作家、
マルセル・パニョル。
 
徹底的に「笑い」を分析していた彼は、
著書でこんな言葉を残している。
 
 何を笑うかによって、その人の人柄がわかる
 
軽蔑する笑い、共感の笑い、喜びの笑い、
いろいろある「笑い」の中で、
何を笑うかによって人柄がわかる、というのだ。
 
ちょっとシニカルで、冷静なマルセルの言葉は、
なんとなく、自分の笑う姿を気にさせる。

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