蛭田瑞穂 15年12月13日放送
笑いのはなし 榎本健一と菊谷栄 その2
喜劇役者榎本健一と喜劇作家菊谷栄。
20代で出会ったふたりは意気投合し、
菊谷はエノケン劇団の座付作家となる。
民謡をジャズにアレンジした『民謡六大学』など
菊谷のつくる笑いは斬新さにあふれていた。
しかし、当時は第二次世界大戦前の軍国主義の時代。
脚本に対する政府の検閲は日に日に厳しくなっていた。
菊谷の脚本も『弥次喜多・親子編』では55ヶ所、
『メイフラワー』では88ヶ所もの削除命令が出た。
それだけの削除命令が出てもなお、
人々を笑わせることをあきらめない。
そこに菊谷栄の、プロの喜劇作家としての魂を見る。