大友美有紀 16年1月3日放送
「小林一三」 見えない二
一月三日生まれだから「一三」。
阪急電鉄の創業者、小林一三の事業のスタートも
一と三だと言う人がいる。
東宝と阪急の会長を歴任した、清水雅(まさし)。
一と三はあるが、二がないのである。
一にあたる事業計画は出来るが、
二の掛け声のところが世間からは、まったく見えないのである。
二にあたる部分が、長い間、暖められ、研究され、準備されて
満を持しているからである。
さて三の掛け声がかかるとカン馬のごとく猛然と飛び出していく。
世間があれよ、あれよと目を見張っている間に、
ゴールインするという寸法や。
一三の経営哲学は、無理をしないこと。
無理をすれば必ず焦る、焦れば破綻が起こり、
また無理を重ね失敗する。
それは、無難に物事を進める、という意味ではない。
無理ではないと思えるまで思案する大切さを説いているのだ。
世間から見えない「二」が要なのである。