高阪まどか 16年1月31日放送

160131-03

ハリウッド女優、タルラ・バンクヘッド2

関係をもった男性は数百人。
おまけに大酒飲みで、人の悪口を言ったらとまらない。
彼女が銀幕の中で見せる役柄は、悪女・魔女・アバズレ。
それはまさにタルラ・バンクヘッドそのものだった。
あくまで自分に正直に生きるタンラに対し、
世間の人々は「決して嘘をつかない女優」として、
尊敬の念さえ抱きはじめていた。

その人気は当時の大統領の目にも留まり、タルラはホワイトハウスに招待される。
パーティーの当日、彼女が自分に同行させたのは黒人の乳母。
「まさかこのホワイトハウスに黒人を。」
会場は驚き、どよめいた。
しかし周りのそんな反応に驚いたのは、むしろタルラの方だった。
早くになくなった実の母親のかわりに乳母を連れて行っただけなのだ。

それはアメリカの歴史上はじめて
黒人がホワイトハウスに入った瞬間だった。

アメリカの黒人差別の撤廃に一役買ったのは、
政治家でも、人権活動家でもなく、
どんな時でも貪欲に、自由奔放に生きた一人の女優なのだ。

1968年66歳でこの世を去ったタルラの最後の言葉は
「バーボンをちょうだい」だった。

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