檀上真里奈 16年1月31日放送
執着の話 フェルディナン・シュバル
フランスの郵便局員フェルディナン・シュバルは
ある日、道で石につまづいた。
石は見たことの無いような不思議な形をしていた。
それが、インスピレーションの瞬間。
その日から彼は、配達が終わると石を拾いに行き、
自宅の庭にそれらを積み上げるようになった。
取り憑かれたように、毎日、毎日。
彼を心配する者も、彼を馬鹿にする者もいた。
33年間。
石が壁となり、
建物となり、
宮殿となった。
その名も、「シュバルの理想宮」。
いまでは国の重要建造物に指定されている。
その前向きな執着心に、憧れずにはいられない。