大友美有紀 16年2月7日放送
「アンデルセンとディケンズ」クリスマスの贈り物
1847年、ロンドンでディケンズと出会ったアンデルセンは、
母国へ戻ったあと、自分の作品を彼に献じようと考えた。
それは、7つの短い物語。
『ある母親の物語』『幸福な一家』『古い家』
『水のしずく』『カラーの話』『影法師』『古い街灯』。
私は自分の詩の園からでてきた最初の作品を、
クリスマスの挨拶として、
イングランドに移し住まわせたいという熱望と憧れを感じます。
それで親愛にして高貴なチャールズ・ディケンズ様、
私はあなたにそれをお送り申しあげます。
アンデルセンはその短編集を、デンマーク語版よりも
先に英語版を出版させた。出来上がった本は、
すぐさまディケンズに届けられた。
私の親愛なるアンデルセンよ、
親しくまた賞賛のうちに私を覚えていてくださり、
このたびは、あなたのクリスマスの本をお贈りくださって、
本当にありがとうございました。
私はたいへん光栄に思い、尊敬の念を深く感じます。
このディケンズからの礼状は、アンデルセンにとって
自分を豊かなものにする息吹であった。