大友美有紀 16年2月7日放送
Hornbeam Arts
「アンデルセンとディケンズ」ディケンズとの夏
1857年6月11日から7月15日、実に5週間もの間、
アンデルセンはディケンズの田舎の邸宅に滞在した。
一家とともに田舎の散策に出かけ、噴水に驚き、音楽祭を楽しんだ。
おりしもアンデルセンは
小説「生きるべきか死ぬべきか」を出版したばかり。
イギリスの雑誌で酷評されるのを次々と目にして、
心を乱し、憔悴してしまう。
ディケンズは私を両腕に抱いて、
兄弟のように語ってくれました。
神様が私に何を与えてくださったかを。
そして砂の上に足で何かを書き
「これがありふれた批評というものだ」といい、
すぐにもみ消した。そして
「さ、もう消えてしまったろ!
反対に詩人の作品は生き続けるんだからね!」と言いました
アンデルセンは、その行いに自分がちっぽけな存在だと感じ、
ディケンズに感謝し、喜びを感じたのだった。