T.Kiya
春の花 タンポポ
タンポポについて柳田邦男は語る。
多くの野の草が稚子(おさなご)を名付親にしていたことを知って、
始めてタンポポという言葉の起りが察せられる。
タンポポはもと鼓を意味する小児語であった。
タンポポが鼓に似ていると納得するには
さらに昔の子供の遊びを知る必要がある。
タンポポの茎に切れ目を入れて水に浸けると
くるくる丸まって鼓の形になるのだ。
待ちかねた春、
暖かい陽を浴びて、子供たちは野の花と遊んだ。
タンポポ、タンポ、タータンポ、チャンポポ
タンポポの方言の多さを見ると
タンポポがどれだけ身近な花だったかがわかる。