薄景子 16年3月27日放送
gmk
桜のはなし 佐藤良二の「さくら道」
太平洋と日本海を桜で結ぼう。
そんな夢を掲げ、名古屋と金沢をつなぐ長距離バス
名金線沿いに桜を植え続けた男、佐藤良二。
バスの車掌だった彼が桜に魅せられたきっかけは、
ダムに沈んだ村から移植された老桜が
奇跡的に再び花を咲かせたことだった。
ふるさとを失った人々が
桜の下に集まり、笑顔を取り戻す。その姿に感銘を受け、
佐藤は全長266kmのバス通りを「さくら道(みち)」にしようと決意する。
仕事の空き時間も、休日も、給料をもつぎ込んで、
バス停に1本ずつ桜の植樹をし続けた。
しかし、志半ばで病に倒れ、47歳でこの世を去る。
植えた桜は12年間で約2000本あまり。
その夢は同僚や家族、彼の志に共鳴する
多くの人々に受け継がれた。
そんな佐藤が遺した言葉。
この地球の上に天の川のように美しい花の星座をつくりたい。
花を見る心がひとつになって、人々が仲よく暮らせるように。