佐藤理人 16年4月16日放送
贋作士たち 「フィオラバンティの大戦士」
1921年、3人のイタリア人彫刻家が大作を作っていた。
高さ2m、重さ500kgの古代エトルリア戦士の粘土像。
紀元前風の色艶に満足すると、
彼らは像を粉々にし、最後の仕上げを施した。
「大戦士」と名付けられたこのヒビだらけの像を、
メトロポリタン美術館は大金で買い取った。
贋作が判明したのは40年後。3人の1人、
アルフレード・フィオラバンティが自首したのだ。
証拠を見せろと言われた彼はある物を取り出した。
それはあの日砕け散った「大戦士」の親指だった。