原央海 16年4月30日放送
lourencoparente
「神様のサポーター」篇
サッカーの神様、ジーコ。
彼が鹿島でプレイしていた頃、
練習場には毎日何百人ものサポーターが押し寄せ、「ジーコさん」と声をかけた。
日本代表の監督時代は、
インドでは試合中にサインを求める行列ができ、
イギリスではベッカムが「少年時代のヒーローだった」と控室まで訪問した。
そんな彼が、ブラジルで現役を引退する際、
ライバルチームのサポーターがこんなメッセージを新聞に出したという。
ジーコ、さようなら。
あなたがいなくなって私たちは、フリーキックの恐怖から解放される。
あなたの頭脳的なスルーパス、切れ味抜群のドリブルやシュート、
なによりも勝利に対する執念は、私たちの頭痛の種だった。
「ジーコ、ジーコ!」
サポーターの大歓声は私たちに絶望をもたらした。
しかしジーコ、あなたのいなくなった試合に興奮することも少なくなってきた。
サッカーを愛するサポーターにとって
あなたは敵ながら素晴らしい選手だった。
神様は、みんなの神様だった。