佐藤理人 16年5月7日放送
あゝ無駄遣い 「幻の寺院」
1770年、ウィリアム・ベックフォードは、
10歳にして巨万の富を相続した。
毎日遊んで暮らしたが、34歳のとき突然、
庭に大寺院を建設しようと思いついた。
知識も経験もないのに建設の指揮を執り、
大工たちに精力剤として大量のウイスキーを与えた。
その年のクリスマス。
酔っ払いたちが立てた寺院の厨房で
ディナーを食べていると天井が崩れ落ちてきた。
彼は一命を取り留めたが、やがて破産。
不毛なオモチャ
と呼ばれた大寺院は、当然ながらもう跡形もない。