masa7
青春をかく人 あだち充
何かを手に入れるためには
何かを手離さなければならない。
青春漫画『タッチ』の生みの親、あだち充は言う。
指先ひとつで飛び交う情報、省かれた手間、ヒマ。
便利さはあっという間にただの日常となって、
手離したモノを思い出すのはずっと後になってから…
あだち作品の主人公は、概して多くを語らない。
どちらかといえば、不器用に、ぶっきらぼうに想いを口にする。
でもなぜか、そのわずかな言葉を、
言葉にならない言葉たちを、読者は時間をかけて読むことになる。
子どもと大人のはざまで揺れていた、あの頃の自分を重ねながら。
あだち充は言う。
手間、ヒマ、時間をかけることはムダなことですか?