伊藤健一郎 16年5月14日放送
aes256
青春をかく人 今日マチ子
机の前に座っているよりも、
むしろ日常生活の中で、ずっとストーリーを考えている。
漫画家、今日マチ子。
彼女は、連載を始めるとき、物語にルールを定める。
たとえば、青春群像劇『みかこさん』のルール。
それは、毎回、物語のモチーフとなるアイテムを使うこと。
髪の毛で隠したピアス。ローファーに入り込んだ砂利。
こんがらがったイヤホン。削れ過ぎてしまう鉛筆削り。
言葉よりも雄弁に語るいくつものアイテムは、
人を、暮らしを見つめる中で、必死に探し出した。
ルールは絶対。今日マチ子は言う。
やめてしまうということは、その人には向いていなかったか、
向いていないと言わないまでも、まだその時期ではなかっただけ。
別に、続けられなかったことを悔やむ必要はないけど、
一度続けられたことは大事にした方が良い。