賞を蹴る 山本周五郎
1943年、直木賞は
受賞辞退された。
辞退したのは、
山本周五郎。
直木賞を主催する
文芸春秋社の菊池寛との
不仲説などもあった。
が、権威を嫌った周五郎は、
その後もすべての文学賞の受賞を
辞退。
読者や編集者からの高い評価こそ、
この上ない「賞」。
そんな信念からだった。
賞を蹴りつづけた作家の名前を冠した
「山本周五郎賞」が創設されたのは、
周五郎の死から21年後、
1988年のことである。
死んでからでは、
名前を使われることも辞退できなかった。