名雪祐平 16年5月28日放送
賞を蹴る ジャン=ポール・サルトル
1964年、ノーベル文学賞は
受賞拒否された。
拒否したのは、
自由の哲学の父、サルトル。
理由は、
いかなる人間でも
生きながら神格化されるには
値しない。
50年後、思わぬ資料が発見された。
受賞前に、サルトルからノーベル委員会宛に
あらかじめ辞退の書簡を送られていたのだ。
ところが、書簡の到着が遅れてしまい、
受賞拒否という決着に。
同じ年のノーベル文学賞には、日本から
谷崎潤一郎、
三島由紀夫、
川端康成、
詩人の西脇順三郎
の4人も候補に選ばれていた。
もし、サルトルの辞退の書簡が
遅れていなかったら……。