Confetta
大恋愛の果てに ルー・ザロメ
存在するだけで、男の人生を変えてしまう女がいる。
ロシア生まれの女流作家ルー・ザロメは、そのひとりだろう。
哲学者ニーチェでさえも
彼女にすっかりのぼせあがり、
何度も恋文を送り続けた。
叶わぬ恋に苦しみながらも、
ニーチェは「ツァラトゥストラはかく語りき」を完成させる。
もう一人、ザロメに惚れ込んだニーチェの友人、
パウル・レーは、彼女と別れた4年後に
スイスの山中で謎の死を遂げている。
大恋愛は、名作と悲劇を生んだ。
Confetta
大恋愛の果てに ルー・ザロメ
存在するだけで、男の人生を変えてしまう女がいる。
ロシア生まれの女流作家ルー・ザロメは、そのひとりだろう。
哲学者ニーチェでさえも
彼女にすっかりのぼせあがり、
何度も恋文を送り続けた。
叶わぬ恋に苦しみながらも、
ニーチェは「ツァラトゥストラはかく語りき」を完成させる。
もう一人、ザロメに惚れ込んだニーチェの友人、
パウル・レーは、彼女と別れた4年後に
スイスの山中で謎の死を遂げている。
大恋愛は、名作と悲劇を生んだ。
大恋愛の果てに ピエール・キュリー
フランスの物理学者ピエール・キュリーは、
知人のアパートで、魅力的な女性と遭遇する。
彼女の名は、マリー・スクロドフスカといった。
ピエールは何度もモーションをかけるが、
マリーは研究が終わると祖国ポーランドへ帰ってしまう。
そこで考えたのは、ただ口説くのではなく
「研究のパートナーになってほしい」という誘い文句だった。
やがて結婚した二人は、放射線の研究で
ノーベル物理学賞を受賞する。
キュリー夫人。
すっかり妻のほうが有名になってしまったが、
きっとピエールは満足しているだろう。
大恋愛の果てに イサベル女王
中世ヨーロッパ、カスティーリアの王室に、
イサベルという娘がいた。
まだ子どもだったイサベルだが、
四十過ぎの貴族と結婚させられそうになったり、
そうかと思えばポルトガル王の後妻に推されたりと、
政略の道具となっていた。
しかしイサベルは、その申し出を断固として拒否した。
それは、隣国アラゴン王国のフェルナンドと恋仲だったからだ。
ふたりはひそかに城を抜け出し、
強引に結婚式を挙げてしまう。
そしてふたつの国も手を組み、
今のスペイン、イスパニア王国を誕生させる。
恋愛が、国家をつくることもある。
大恋愛の果てに ポンパドゥール夫人
18世紀のパリ。
ジャンヌ・アントワネット・ポワソンは、
平民の子でありながら、上流階級の教育を受けて育った。
身分の高くない貴族、デティオールと結婚したが、
そのあとにサロンで出会ったのは、ルイ十五世だった。
皇太子に見初められた彼女は、
皇室からの圧力を味方にして夫と別れ、新たな爵位を手にした。
ポンパドゥール公爵夫人と名前を変えると、
持ち前の美貌と聡明さで、政界までも牛耳っていく。
ファッションセンスは抜群、
芸術への造詣も深く、
慧眼の持ち主でもあった彼女だが、
43歳の若さでこの世を去った。
人生の転機は、いつやってくるかわからない。
人生の終わりも、いつやってくるかわからない。
今日を、明日を、大切に。
大恋愛の果てに エリザベート
19世紀半ばのこと。
オーストリアの皇帝ヨーゼフ1世が恋したのは
16歳の美少女、エリザベートだった。
結婚式ではすべての国民に祝福されたが、幸せは続かない。
お妃教育が始まり、口やかましい姑の監視の目が光る。
23歳になったエリザベートは、療養の旅に出た。
大西洋のマデイラ諸島、地中海、ギリシャ。
そして大好きなハンガリーへ。
ときどき思い出したようにウィーンに帰る。
こんな暮らしを30年余りも続けたという。
6月の花嫁の皆さん。決して真似してはいけません。
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