佐藤延夫 16年6月4日放送
大恋愛の果てに イサベル女王
中世ヨーロッパ、カスティーリアの王室に、
イサベルという娘がいた。
まだ子どもだったイサベルだが、
四十過ぎの貴族と結婚させられそうになったり、
そうかと思えばポルトガル王の後妻に推されたりと、
政略の道具となっていた。
しかしイサベルは、その申し出を断固として拒否した。
それは、隣国アラゴン王国のフェルナンドと恋仲だったからだ。
ふたりはひそかに城を抜け出し、
強引に結婚式を挙げてしまう。
そしてふたつの国も手を組み、
今のスペイン、イスパニア王国を誕生させる。
恋愛が、国家をつくることもある。