大友美有紀 16年6月5日放送
Momotarou2012
「棟方志功」凧
眼が悪かった棟方志功は
小学校の図画の成績はずっと丙か丁だった。
絵を描く事は好きだった。
同級生たちが「シコ、絵コ描いてケロ」と
紙を持って来ると凧絵を描いた。
描くのは、歌舞伎役者。絵の具などないから、墨一色。
それが空にあがった時、どんな凧よりも目立ったという。
青森の凧絵には3つの流れがあった。
役者絵が中心のあでやかな青森の凧、
鷹揚な描法で能面のような顔が描かれる五所川原の凧、
北斎ばりの画風で三国志の豪傑を扱う弘前の凧。
青森の優艶、五所川原のスケールの大きさ、
弘前の剛直勇壮、それぞれがからだの中に入っていて、
自分の絵や板画の魂を入れているのだ。
孫たちには「ワの凧だきゃ、イッツバンであった」と自慢した。
ネプタも凧絵も棟方の世界の源を作っている。