大友美有紀 16年6月5日放送
「棟方志功」ベートーヴェン
棟方志功は音楽が好きだった。
幼い頃は、家が貧しかったために
楽器だけはどうする事もできなかった。
家族を持ってから、娘二人にはピアノを、
長男にはバイオリンを習わせた。
家の中に音楽があることが幸せだった。
音楽というものと美術との関係は、
わたくしはきりはなせない、
お互いむすび合う世界だと思っています。
とりわけベートーヴェンが好きだった。
蓄音機を持っていない頃からレコードを揃えていた。
ステレオセットを持つ生活になっても
自分でレコードをかける事はできなかった。
針を落としてくれる人をじっと待っている。
棟方にとって音楽は誰かと一緒に聴くものだったのだ。
自分が墓に入ったら白い花一輪と第九を聴かせてほしい、
そう言葉を遺していた。