厚焼玉子 16年6月11日放送
ひでわく
花と遊ぶ ホウセンカ
夏の庭で
少女たちはホウセンカの花を摘み
その汁で爪を染めた。
爪が赤く染まるから
ホウセンカの別名は爪紅(つまべに)
または爪くれない(つまくれない)
お母さんの口紅はいたずらすると叱られるけれど
ホウセンカの赤は子供にも許された。
おしゃれという言葉も知らず
ただ赤い色がうれしかったあの夏。
昔はよく見かけたホウセンカを
伊藤左千夫はこんな歌に詠んでいる。
山里に友とひよれば 庭さきにつまくれなゐの花ぞ咲きける