小野麻利江 16年6月26日放送
suneko
童謡のはなし おぼろ月夜の舞台
菜の花畠(はなばたけ)に 入日薄れ
見渡す山の端 霞深し
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し
童謡「おぼろ月夜」。
作詞は、国文学者で作詞家の高野辰之。
こののどかな春の情景は、
高野の生まれ故郷、
長野県下水内郡豊田村が舞台とも、
明治四十二年ごろから居を構えていた、
東京・代々木近くの、
アブラナ畑とも言われている。
どちらにせよ、
明治から大正にかけての日本では、
菜の花畑は、全国各地で見られる情景だった。
今もこの曲が、多くの人々の郷愁をかきたてるのは、
そのせいかもしれない。