石橋涼子 16年7月31日放送
記録のはなし 織田幹雄
1928年のアムステルダムオリンピックで
アジア初となる金メダルを獲得したのが織田幹雄だ。
種目は陸上、三段跳び。
織田は著書の中で
私はオリンピックの穴を狙った
と語っている。
この一見すると戦略家のような言葉は、
織田幹雄にはしっくりこない。
なぜなら、なかなか記録が伸びずに
オリンピック出場も危ぶまれ、
周囲から引退をほのめかされながらも
黙々とフォームの改良や基礎の徹底を続けた
織田の愚直なまでの努力を、多くの人が知っているからだ。
今、陸上の神さまと呼ばれている彼の言葉として
しっくりくるのは、こちらだろう。
僕は「精進」という言葉を信条にやってきた。
これは自分なりの解釈で
「精を出せば、必ず進歩する」という意味です。