小林慎一 16年8月21日放送
生物としての人篇
経済人類学者カール・ポランニーの弟である
マイケル・ポランニーは
感情、道徳、哲学も、広くは生物学の中で
語られなければならない、と述べている。
生物は機械そのものではないが、機械的な原則に基づいている。
そして、その機械的な原則は、より上位の原則により支配されている。
人にはアメーバやワニだった時代の法則が生きていて、
マンモスと戦ったころの記憶を持っている。
生物を司る物理的・化学的な一番下の層から、
人が人に進化するあらゆる生物的な層が積み上げられて
人ができている。
この考え方を、栗本慎一郎は、「層の理論」と呼んでいる。
ポランニーの友人だったアーサー・ケストラーは、
その著書「機械の中の幽霊」で
同じ部品、同じ工程で組み立てたれた機械であっても、
誤差の範囲を超えて、違う動作をすることを統計的に分析した。
ケストラーは、機械にも霊的なものが宿ると結論づけている。