佐藤延夫 16年9月3日放送
自叙伝 ジャン=ジャック・ルソー
「わたしの誕生は、わたしの不幸の最初のものとなった。」
これは思想家 ジャン=ジャック・ルソーによる自叙伝の一節だ。
「告白」というタイトルのとおり、
第1部は、作家になる前の「幸福な前半生」。
出生から青年時代まで、ユーモアを交え、
ときには下世話な話まで赤裸々に記されている。
第2部は作家になったあとの「不幸な後半生」。
被害妄想による他者への批判がその中心となった。
ルソーが亡くなったあとに出版されたこの自叙伝は、
身勝手な内容とは裏腹に、彼の評価を上げていた。