福宿桃香 16年9月10日放送
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かつてないをつくる人 江口勝也
「どうぶつの森」のプロデューサー、江口勝也。
敵もいなければ、エンディングもない―
全く新しい形のこのゲームは、江口のこんな思いから生まれた。
子どもと一緒にゲームをすれば楽しいことがわかっていても、
仕事が忙しくて、それができない。
だったら、お母さんや子どもが遊んだあとに
自分が遅い時間に帰ってきて遊ぶことで、
何かが重なりあうようなものができないだろうか。
こうして江口が辿り着いたのが、
ひとつの街に複数のプレイヤーが暮らす、というゲームである。
特に徹底したのは、現実と同じように時間が流れる街だということ。
遊ぶ時間によって設定が変わるようにしたことで、
たとえば、街のスーパーが閉まった後の時間にしか遊べないお父さんのために、
昼間のうちに子どもが商品を買って、手紙でプレゼントしたり。
帰宅したお父さんが、夜中にしか現れないサカナを釣って、
こどもの家の前に置いておいたり。
そんな家族のコミュニケーションを次々と生みだしたのだ。
江口の、ひとりの父としての願いから誕生したどうぶつの森は、
今日も日本中で、家族の時間をつくっている。