2016 年 9 月 のアーカイブ

小林慎一 16年9月18日放送

160918-08
asobitsuchiya
半世紀の出演者篇

2016年5月22日。
桂歌丸は、笑点からついに勇退した。

番組は生放送。

歌丸の笑点最後の日に、
努めて明るく振る舞った回答者だったが、
どうにもいつもと様子が違う。

次々と座布団がもらえる。
山田くんは大忙し。
いつもと違う大判振る舞いに、回答者にも笑顔があふれ、
回答の舌も滑らかに、会場も大いに盛り上がった。

そして迎えた最後のお題は「歌丸に贈る言葉」。
小遊三はこう答えた。
「抱いてください!」

それを受けて歌丸はこう言った。

「山田くん。気持ち悪いから全員の全部持って行って!」

歌丸の最高で最後の演出であったが、
自分の痕跡を残さず、後輩に自由にやれという
メッセージでもあった。

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宮田知明 16年9月17日放送

160917-01
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台風 台風を形容する言葉

2016年は、台風の被害が大きかった年として
記憶されそうだ。

台風を形容する言葉として、
「猛烈な」「大型の」という言葉はよく聞くが、
「弱い」「小さい」といった言葉を耳にすることはない。

それは、台風を過小評価することで、
人の心が安心してしまい、
被害につながることを防ぐためだそうだ。

もし、次に来る台風が
たとえ大きくなかったとしても、台風は台風。
万全の準備を。

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宮田知明 16年9月17日放送

160917-03

台風 車内アナウンス

聞き慣れた電車のアナウンスも、
台風が直撃するような緊急時には、
その言葉は少し変わる。

台風によって大きくダイヤが乱れ、
家まで帰れるのか分からない
と不安がる乗客たち。
とある車掌さんの発した言葉に、
乗客たちは気持ちを和まされたという。

 横浜線、この電車のみ運転致します。
 行けるところまで参ります!
 ご乗車になってお待ちください。

マニュアル化された言葉の中に、
車掌さんの気持ちが入ったとたん、
みんなを元気づける言葉に変わる。

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宮田知明 16年9月17日放送

160917-02

台風 台風の由来

英語のTyphoonの語源は、日本語の台風から来ているのではないか、
と思っている方も多いかもしれないが。

諸説あるが、起源は中国語の「大きい風」と書いて
「大風」から来ていると言われている。

日本では、昔、台風のことを「野分き」とか「野分け」と言った。
つまり、「野を分けるほどの強い風」という意味だ。

日本語から来ているのかと思って、ちょっと残念、
と思った方もいるかもしれない。

でも、日本語が起源の言葉が、うれしいことなのか、どうか。
TSUNAMIは、日本語が起源だ。

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宮田知明 16年9月17日放送

160917-04
きんちゃん
台風 台風でも会社に行く人々

 南の島の大王は、子どもの名前もハメハメハ
 学校ぎらいの子どもらで
 風がふいたら遅刻して 雨が降ったらお休みで
 ハメハメハ ハメハメハ ハメハメハメハメハ

かの有名な、「南の島のハメハメハ大王」の3番。

雨が降ったらお休みする、
は日本ではあり得ないにしても、
台風でも多くの日本サラリーマンが、会社に出勤していく。
台風が来るのを予測して、
台風が来る前に会社に着こうとしたりする。

ハメハメハ大王から見ると、
日本人は真面目に映るのか、
それとも・・・。

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澁江俊一 16年9月11日放送

160911-01

割れ窓理論

割れ窓理論という言葉がある。

9.11のテロで
迅速かつ冷静に指揮をとり、
ニューヨーク市民に高く評価された
ジュリアーニ市長。

彼は就任当初、
街じゅうの割れた窓をなくすことで
最悪だったニューヨークの治安を向上させた。

窓が割れている街は、
犯罪が生まれやすい空気を生む。

テロもきっと同じだ。
人々の心の中に割れた窓がある限り、
憎しみ、争いたくなる空気が生まれる。

今こそ、曇りなき窓から、
世界を見直してみよう。

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澁江俊一 16年9月11日放送

160911-02
Adrian Cabrero (Mustagrapho)
考えさせる形

9.11後のアメリカのシンボルとして
グラウンドゼロにそびえ立つ
ワンワールドトレードセンター。

そのかたわらに
ニューヨーク市民から
長く愛され続けるオブジェがある。

イサム・ノグチ作、レッドキューブ。

倒れそうで、倒れない。
鮮やかに赤い巨大な正方形が
その角一点で立っている。
その正方形を貫く
大きな丸い穴。

赤いキューブは
シンプルだからこそ
答えがない問いそのもの。

9.11から15年。
そのオブジェは世界に何を
問いかけているのか?

考え続けよう。
私たちにできるのは、それだけだから。

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澁江俊一 16年9月11日放送

160911-03

スポーツにしかできないこと

2001年、9月11日。
2本の高層ビルが崩壊し、
アメリカのすべての日常が止まった。

1週間後の9月17日
メジャーリーグは再開され、
ニューヨークメッツの選手たちは
テロに立ち向かった勇気に敬意を表して
ニューヨーク警察と消防局の
帽子をかぶってプレーした。

ニューヨークヤンキースも
この年、シーズンを通して
神がかったような大躍進を見せた。

この年、新人王とMVPを獲得した
イチローはこう語っている。

野球どころではない、
という気持ちは当然皆が持っている。
その反面、僕達にできることも
野球しかないということです

阪神淡路大震災の年に
日本一になったオリックス。
東日本大震災の年に
ワールドカップを制したなでしこジャパン。

人知を超えた悲劇と向き会う時、
スポーツは大きな回復力をくれるのだ。

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田中真輝 16年9月11日放送

160911-04
Joao Carlos Medau
悼む人

今日、9月11日は、
アメリカ同時多発テロ事件が
発生した日。

この事件をきっかけにして紡がれた物語がある。
作家、天童荒太による「悼む人」。

911以降、世界中に広がる怒りの連鎖への
無力感の中で生まれたのが、
死者を悼んで旅する男の物語だった。

「なぜ、私たちは、すべての死者を平等に
追悼することができないのか」

その問いかけを胸に、天童は実際に、
各地で亡くなった人を悼む旅に出る。
そして、実に7年という歳月の果てに、
天童は「悼む人」を上梓する。
そこに描かれているのは、怒りに包まれる
世界への、天童からの静かだが、
力強いメッセージだ。

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澁江俊一 16年9月11日放送

160911-05
Diliff
残された言葉たち

「ものすごくうるさくて、
ありえないほど近い」

9.11後のニューヨークで
悲劇から立ち直ろうとする人々を描いた
珠玉の映画。

9.11のテロに巻き込まれ
突然父親を失った少年が
父の遺品から、
小さな鍵とBlackと書かれた封筒を見つける。

少年はニューヨーク中のBlackさんを訪ねて
鍵の秘密を聞いて回る。

監督は名匠スティーブン・ダルドリー。
彼は撮影前、出演者たちに
アメリカでは放送されていない
9.11の遺族たちの
ドキュメンタリー映像を見せた。

「心配しないで、わたしは大丈夫」

「みんなを愛しているよ」

悲劇のさなか、
家族を励まし、悲しませないために
残された言葉たち。

その優しさが
何度も見直したくなる名演技を支えている。

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