BIANCHI
読書の話 二宮金次郎
日本でいちばん有名な読書家といえば誰だろう?
おそらくだが、それは
薪を背負いながら本を読むあの少年。
二宮金次郎ではないだろうか。
しかし実際の金次郎少年が
薪を背負って読書したという証拠はなく、
明治時代の伝記で定着したイメージらしい。
古代中国で薪を売りながら読書していた
朱買臣(しゅ ばいしん)の話をもとにしたとも、
イギリスの宗教書の挿絵に
影響されたともいわれている。
現実の金次郎がどうだったかはともかく、
勤勉な国民の理想像として
子どもたちに広められたのだ。
ところで最近見かけなくなった金次郎の銅像だが、
その理由は、あの姿が
「歩きスマホ」を想起させるからなんだとか。
真似しろとか、真似するなとか、
後世の人間たちは勝手なものである。