藤本宗将 16年10月8日放送

161008-01
BIANCHI
読書の話 二宮金次郎

日本でいちばん有名な読書家といえば誰だろう?

おそらくだが、それは
薪を背負いながら本を読むあの少年。
二宮金次郎ではないだろうか。

しかし実際の金次郎少年が
薪を背負って読書したという証拠はなく、
明治時代の伝記で定着したイメージらしい。

古代中国で薪を売りながら読書していた
朱買臣(しゅ ばいしん)の話をもとにしたとも、
イギリスの宗教書の挿絵に
影響されたともいわれている。

現実の金次郎がどうだったかはともかく、
勤勉な国民の理想像として
子どもたちに広められたのだ。

ところで最近見かけなくなった金次郎の銅像だが、
その理由は、あの姿が
「歩きスマホ」を想起させるからなんだとか。

真似しろとか、真似するなとか、
後世の人間たちは勝手なものである。

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