2016 年 11 月 13 日 のアーカイブ

森由里佳 16年11月13日放送

161113-01
kawawa
食欲の秋 栗菓子の理想

信州、小布施。
600年前からつづく栗の名地は、
栗菓子店の名地でもある。

数ある名店の中のひとつ、桜井甘精堂。
菓子屋であるにも関わらず、
菓子の色や形、食感の理想を
曲げなければならないことも多いという。

菓子としての完璧ではなく、
栗を活かし、栗を美味しく食べる
“栗菓子”としての完璧こそが、
桜井甘精堂の理想。

 菓子屋であるよりも栗屋であれ。

7代目・桜井佐七は今も
この想いを胸に栗菓子作りに挑んでいる。

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森由里佳 16年11月13日放送

161113-02
junkoko
食欲の秋 栗菓子の創作

信州は小布施にはじまった栗菓子の名店、桜井甘精堂。

歴代の当主たちは、
こぞってまだ見ぬ栗菓子作りに励んできた。

1代目・桜井幾右衛門は、
初めての栗菓子ともいわれる「栗落雁」を作った。
その弟、武右衛門は、当時類を見ない
栗だけでできた「純 栗ようかん」を。
5代目も、同じように前例のなかった「純 栗かのこ」を完成させた。
そして今、7代目の桜井佐七も、
和菓子の枠を超え、
栗のマカロンやマロンパイ、栗アイスと、新しい菓子作りに余念がない。

 小布施を何度も訪れている人でも
 いつも新しい発見を持って帰れますように

桜井甘精堂の職人が受け継いでいるのは、
菓子作りの技だけではないようだ。

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森由里佳 16年11月13日放送

161113-03

食欲の秋 栗菓子と職人

200年ほどの歴史を持つ栗菓子の老舗、小布施の桜井甘精堂。
今や、全国でも販売店をもつ大きな店となった。

それでも、機械に頼らず、
職人が手で作りつづけるものがある。

たとえば、栗ようかん。
食感の決め手になる練りの強さは、
職人がヘラにかかる重みだけで見極める。

たとえば、栗かのこ。
どんなに生産量が多くても、必ず人の手で缶につめている。
機械を使うと餡の練りや栗の甘露煮の大きさを変えねばならず、
ベストな味にならないからだ。

 効率を求めて品質を落とすなんて、とんでもない。

どんな時代の進化も、
小布施の職人魂には敵わない。

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佐藤日登美 16年11月13日放送

161113-04
MIKI Yoshihito.
食欲の秋 さんま

詩人・佐藤春夫の代表作、「秋刀魚の歌」。
秋の味覚を謳っているが、実は哀しい恋の詩。

友人である谷崎潤一郎の妻・千代と恋に落ちた佐藤。
一度は妻を譲ると言った谷崎だったが、
突然気が変わり、佐藤と谷崎の仲は切れてしまう。

その後二人は和解し、佐藤は千代と結ばれるのだが、
それは20年後の話。

 ー男ありて
 今日の夕餉に ひとり
 さんまを食ひて
 涙をながす と。

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佐藤日登美 16年11月13日放送

161113-05
pelican
食欲の秋 ピェンロー鍋

妹尾河童の「ピェンロー鍋」をご存じだろうか。

干しシイタケを一晩水につけたダシに、
白菜・豚バラ肉・鶏モモ肉・春雨、そしてたっぷりの胡麻油を投入。
ぐつぐつと煮立て、塩と一味唐辛子だけで味わう。

くたくたになった白菜がなんとも美味しく、
ついつい紹興酒が進む。

シンプルな鍋だけに、ひとつでも工程を飛ばすと
この至福にはたどり着けない。
妹尾が言う通り、
「うんと寒くなって白菜がウマク」なってから、ぜひお試しあれ。

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佐藤日登美 16年11月13日放送

161113-06
Johnson Wang
食欲の秋 金子半之助

天ぷら職人・金子半之助が「閻魔帳」と呼ばれたレシピ帳に遺した、
「秘伝の江戸前の丼たれ」。

このたれに合う天ぷらダネを見つけ出したのが、その孫、金子真也である。
天丼屋を開いた真也は、
敬意を表し、その店に祖父の名前をつけた。

季節の野菜、あなご、海老、半熟玉子。
さくさくの衣と、それに絡む至極のたれ。

それを味わいたくて、今日も「金子半之助」に人々は列をなす。

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蛭田瑞穂 16年11月13日放送

161113-07

食欲の秋 シーザー・カルディーニ

1924年のある日、
メキシコ、ティファナのレストラン「シーザーズ・パレス」。
その夜、客が大挙して押し寄せたため、
店の食材は底をつきかけていた。

そこでオーナーのシーザー・カルディーニは
ありあわせの食材でサラダをつくった。

ロメインレタスの上に、
塩、コショウ、ガーリックオイル、レモン汁、ウスターソースを
合わせたシーザードレッシングをかけ、
パルメザンチーズとクルトンをトッピングした。

このサラダが「シーザーサラダ」として評判となり、
のちに世界中に広まった。

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蛭田瑞穂 16年11月13日放送

161113-08

食欲の秋 ロバート・コブ

1937年のある日、
ハリウッドのレストラン「ブラウン・ダービー」。
その日、オーナーのロバート・コブは
夜まで何も口にしていなかった。

空腹に耐えかねたコブは
冷蔵庫にあったありあわせの食材でサラダをつくった。

レタス、アボカド、トマト、鶏肉、ゆで卵、
カリカリに焼いたベーコンを細かく切って、
その上にフレンチドレッシングをかけた。

そのサラダを、客として来ていた
チャイニーズ・シアターのオーナーに試食させると、
その味は絶賛された。

このサラダが「コブサラダ」として評判となり、
西海岸から全米へと知れ渡るようになった。

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