kawawa
食欲の秋 栗菓子の理想
信州、小布施。
600年前からつづく栗の名地は、
栗菓子店の名地でもある。
数ある名店の中のひとつ、桜井甘精堂。
菓子屋であるにも関わらず、
菓子の色や形、食感の理想を
曲げなければならないことも多いという。
菓子としての完璧ではなく、
栗を活かし、栗を美味しく食べる
“栗菓子”としての完璧こそが、
桜井甘精堂の理想。
菓子屋であるよりも栗屋であれ。
7代目・桜井佐七は今も
この想いを胸に栗菓子作りに挑んでいる。
kawawa
食欲の秋 栗菓子の理想
信州、小布施。
600年前からつづく栗の名地は、
栗菓子店の名地でもある。
数ある名店の中のひとつ、桜井甘精堂。
菓子屋であるにも関わらず、
菓子の色や形、食感の理想を
曲げなければならないことも多いという。
菓子としての完璧ではなく、
栗を活かし、栗を美味しく食べる
“栗菓子”としての完璧こそが、
桜井甘精堂の理想。
菓子屋であるよりも栗屋であれ。
7代目・桜井佐七は今も
この想いを胸に栗菓子作りに挑んでいる。
junkoko
食欲の秋 栗菓子の創作
信州は小布施にはじまった栗菓子の名店、桜井甘精堂。
歴代の当主たちは、
こぞってまだ見ぬ栗菓子作りに励んできた。
1代目・桜井幾右衛門は、
初めての栗菓子ともいわれる「栗落雁」を作った。
その弟、武右衛門は、当時類を見ない
栗だけでできた「純 栗ようかん」を。
5代目も、同じように前例のなかった「純 栗かのこ」を完成させた。
そして今、7代目の桜井佐七も、
和菓子の枠を超え、
栗のマカロンやマロンパイ、栗アイスと、新しい菓子作りに余念がない。
小布施を何度も訪れている人でも
いつも新しい発見を持って帰れますように
桜井甘精堂の職人が受け継いでいるのは、
菓子作りの技だけではないようだ。
食欲の秋 栗菓子と職人
200年ほどの歴史を持つ栗菓子の老舗、小布施の桜井甘精堂。
今や、全国でも販売店をもつ大きな店となった。
それでも、機械に頼らず、
職人が手で作りつづけるものがある。
たとえば、栗ようかん。
食感の決め手になる練りの強さは、
職人がヘラにかかる重みだけで見極める。
たとえば、栗かのこ。
どんなに生産量が多くても、必ず人の手で缶につめている。
機械を使うと餡の練りや栗の甘露煮の大きさを変えねばならず、
ベストな味にならないからだ。
効率を求めて品質を落とすなんて、とんでもない。
どんな時代の進化も、
小布施の職人魂には敵わない。
MIKI Yoshihito.
食欲の秋 さんま
詩人・佐藤春夫の代表作、「秋刀魚の歌」。
秋の味覚を謳っているが、実は哀しい恋の詩。
友人である谷崎潤一郎の妻・千代と恋に落ちた佐藤。
一度は妻を譲ると言った谷崎だったが、
突然気が変わり、佐藤と谷崎の仲は切れてしまう。
その後二人は和解し、佐藤は千代と結ばれるのだが、
それは20年後の話。
ー男ありて
今日の夕餉に ひとり
さんまを食ひて
涙をながす と。
pelican
食欲の秋 ピェンロー鍋
妹尾河童の「ピェンロー鍋」をご存じだろうか。
干しシイタケを一晩水につけたダシに、
白菜・豚バラ肉・鶏モモ肉・春雨、そしてたっぷりの胡麻油を投入。
ぐつぐつと煮立て、塩と一味唐辛子だけで味わう。
くたくたになった白菜がなんとも美味しく、
ついつい紹興酒が進む。
シンプルな鍋だけに、ひとつでも工程を飛ばすと
この至福にはたどり着けない。
妹尾が言う通り、
「うんと寒くなって白菜がウマク」なってから、ぜひお試しあれ。
Johnson Wang
食欲の秋 金子半之助
天ぷら職人・金子半之助が「閻魔帳」と呼ばれたレシピ帳に遺した、
「秘伝の江戸前の丼たれ」。
このたれに合う天ぷらダネを見つけ出したのが、その孫、金子真也である。
天丼屋を開いた真也は、
敬意を表し、その店に祖父の名前をつけた。
季節の野菜、あなご、海老、半熟玉子。
さくさくの衣と、それに絡む至極のたれ。
それを味わいたくて、今日も「金子半之助」に人々は列をなす。
食欲の秋 シーザー・カルディーニ
1924年のある日、
メキシコ、ティファナのレストラン「シーザーズ・パレス」。
その夜、客が大挙して押し寄せたため、
店の食材は底をつきかけていた。
そこでオーナーのシーザー・カルディーニは
ありあわせの食材でサラダをつくった。
ロメインレタスの上に、
塩、コショウ、ガーリックオイル、レモン汁、ウスターソースを
合わせたシーザードレッシングをかけ、
パルメザンチーズとクルトンをトッピングした。
このサラダが「シーザーサラダ」として評判となり、
のちに世界中に広まった。
食欲の秋 ロバート・コブ
1937年のある日、
ハリウッドのレストラン「ブラウン・ダービー」。
その日、オーナーのロバート・コブは
夜まで何も口にしていなかった。
空腹に耐えかねたコブは
冷蔵庫にあったありあわせの食材でサラダをつくった。
レタス、アボカド、トマト、鶏肉、ゆで卵、
カリカリに焼いたベーコンを細かく切って、
その上にフレンチドレッシングをかけた。
そのサラダを、客として来ていた
チャイニーズ・シアターのオーナーに試食させると、
その味は絶賛された。
このサラダが「コブサラダ」として評判となり、
西海岸から全米へと知れ渡るようになった。
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