石橋涼子 16年11月27日放送
dokure
のりものの話 仲津英治と新幹線500系
日本を代表するのりもの、新幹線。
英語でもshinkansenそのままで通じるという。
最先端技術の結晶のようなイメージがある新幹線だが、
開発当時に世界最速記録を打ち立てた500系は、
設計上の様々なヒントを、空を飛ぶ鳥からもらったという。
空気抵抗による騒音の原因だったパンタグラフは、
もっとも静かに空を飛ぶと言われている
フクロウの羽を研究し、改良のヒントとした。
高速でもなめらかに水面に飛び込むカワセミは、
水の抵抗を軽減するするどいクチバシが
新幹線の先頭デザインのヒントとなった。
当時の開発責任者だった仲津英治氏は言う。
人間は自然に学ぶべきだ。
自然に勝とう、自然を克服しようという考えがまちがっている。
自然の造形からたくさんのヒントを得た500系は、
静かさと速さを兼ね備えた新幹線となり、
奇しくも「近未来的なデザイン」という評価で
多くのファンを獲得した。