2016 年 11 月 のアーカイブ

田中真輝 16年11月20日放送

161120-08

木をかこう

今日は、世界子どもの日。

多彩な顔を持つイタリア人デザイナー、ブルーノ・ムナーリ。
彼の著作には「木をかこう」というかわいい絵本がある。

そこには、「木」の本質的な構造をわかりやすく伝えながら、
そこからありとあらゆる形に広がっていく木の姿が描かれ、
創造性の広さに気づかせてくれる。

子供はみんなアーティストである。
しかし、大切なのは、ただ紙とペンだけを手渡すだけではなく、
同時に、モノの本質についての学びも手渡すこと。
彼の子供と向き合う姿勢に、学ぶべきことは多い。

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伊藤健一郎 16年11月19日放送

161119-01
Lover of Romance
両さんの話(生きるモード)

今年9月に40周年を迎え、
連載を終了した『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。

主人公の両津勘吉は、
仕事よりも遊びに精を出す非模範的な警官だが、
たまに時代をバッサリと切る。

これは、今の若者に対する両さんの言葉。

 何か悩むとすぐ生きるべきか死ぬべきかだからな!
 目の前がすぐ真っ暗になり二者択一だ!
 悩んだらまず「生きる」モードに切り替えてからスタートだ!
 それから、どう生きるかを探せばいい!

この国には両さんが、まだまだ必要ですが…、
ひとまず、両さん、長い間お疲れさまでした。

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伊藤健一郎 16年11月19日放送

161119-02
Japanexperterna.se
両さんの話(両津式遊び学)

2016年9月。200巻刊行をもって
連載を終了した『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。

主人公の両さんは、弱者の味方で正義感が強い警官だが、
勝負事となれば、話は別。
相手が誰であろうと、どんな手を使ってでも勝ちにいく。

両津式遊び学によると、
 「ずるい」「ひきょう」は、敗者のたわごと!
 遊びでも勝たねばならん!

だそうです。

遊びの天才、両さん。長い間、お疲れさまでした。

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伊藤健一郎 16年11月19日放送

161119-03
panDx1
両さんの話(元気上等)

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』通称『こち亀』の主人公、
両さんは、それはそれは悪ガキだったという。

無断で借りたバイクで、隅田川にダイブしたり…。
先生を驚かせるために、教室にトラを連れ込んだり…。
信じられない悪事を繰り広げたそう。

そんな両さんに、あるとき子どもが自転車でぶつかってきた。
ふと、自分の幼少期を思い出した両さんは、
ばつが悪そうな少年にこう言った。

 ガキは元気で上等!

公園で遊ぶ子どもに対して「うるさい!」と苦情が殺到する昨今。
大人たちこそ『こち亀』を読むべきだろう。

子どもの味方、両さん。長い間、お疲れさまでした。

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伊藤健一郎 16年11月19日放送

161119-04
ajari
両さんの話(ギャンブル)

この秋、連載40周年をもって幕を閉じた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。
主人公の両津勘吉は、仕事の合間にギャンブルに勤しむ型破りな警官だ。

あるとき、
子どもをギャンブルに巻き込んだ両さんは、
部下から注意を受けた。
しかし両さんは、反省するどころか、
こんな正論で切り返す。

 ギャンブルのどこが悪い!
 入試、就職、結婚、みんなギャンブルみたいなもんだろ!
 人生すべて博打だぞ!

ときに子どもは、学校では教えてくれない大真理をマンガから学ぶ。
人生の先生、両さん。長い間、お疲れさまでした。

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伊藤健一郎 16年11月19日放送

161119-05
K.K.Chu
両さんの話(引き際)

「えええ~!ショックが大き過ぎる」
「いやだ、いやだ、寂しいよ~」

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の連載終了が決まったとき、
終了を惜しむ声がたくさん寄せられた。

連載期間40年。そして、200巻刊行という
偉業を成し遂げようとする中、
主人公の両津勘吉は、こう叫んだ。

 こういうときだけ「最近読んでないけど好きだった」とか、
 「もっと続いてほしかった」とか言いやがって…うれしいけど。

最後の最後まで、世の中をぶった切ってみせた。
両さん、長い間、本当にお疲れさまでした。

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森由里佳 16年11月13日放送

161113-01
kawawa
食欲の秋 栗菓子の理想

信州、小布施。
600年前からつづく栗の名地は、
栗菓子店の名地でもある。

数ある名店の中のひとつ、桜井甘精堂。
菓子屋であるにも関わらず、
菓子の色や形、食感の理想を
曲げなければならないことも多いという。

菓子としての完璧ではなく、
栗を活かし、栗を美味しく食べる
“栗菓子”としての完璧こそが、
桜井甘精堂の理想。

 菓子屋であるよりも栗屋であれ。

7代目・桜井佐七は今も
この想いを胸に栗菓子作りに挑んでいる。

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森由里佳 16年11月13日放送

161113-02
junkoko
食欲の秋 栗菓子の創作

信州は小布施にはじまった栗菓子の名店、桜井甘精堂。

歴代の当主たちは、
こぞってまだ見ぬ栗菓子作りに励んできた。

1代目・桜井幾右衛門は、
初めての栗菓子ともいわれる「栗落雁」を作った。
その弟、武右衛門は、当時類を見ない
栗だけでできた「純 栗ようかん」を。
5代目も、同じように前例のなかった「純 栗かのこ」を完成させた。
そして今、7代目の桜井佐七も、
和菓子の枠を超え、
栗のマカロンやマロンパイ、栗アイスと、新しい菓子作りに余念がない。

 小布施を何度も訪れている人でも
 いつも新しい発見を持って帰れますように

桜井甘精堂の職人が受け継いでいるのは、
菓子作りの技だけではないようだ。

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森由里佳 16年11月13日放送

161113-03

食欲の秋 栗菓子と職人

200年ほどの歴史を持つ栗菓子の老舗、小布施の桜井甘精堂。
今や、全国でも販売店をもつ大きな店となった。

それでも、機械に頼らず、
職人が手で作りつづけるものがある。

たとえば、栗ようかん。
食感の決め手になる練りの強さは、
職人がヘラにかかる重みだけで見極める。

たとえば、栗かのこ。
どんなに生産量が多くても、必ず人の手で缶につめている。
機械を使うと餡の練りや栗の甘露煮の大きさを変えねばならず、
ベストな味にならないからだ。

 効率を求めて品質を落とすなんて、とんでもない。

どんな時代の進化も、
小布施の職人魂には敵わない。

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佐藤日登美 16年11月13日放送

161113-04
MIKI Yoshihito.
食欲の秋 さんま

詩人・佐藤春夫の代表作、「秋刀魚の歌」。
秋の味覚を謳っているが、実は哀しい恋の詩。

友人である谷崎潤一郎の妻・千代と恋に落ちた佐藤。
一度は妻を譲ると言った谷崎だったが、
突然気が変わり、佐藤と谷崎の仲は切れてしまう。

その後二人は和解し、佐藤は千代と結ばれるのだが、
それは20年後の話。

 ー男ありて
 今日の夕餉に ひとり
 さんまを食ひて
 涙をながす と。

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