大田垣蓮月
江戸時代後期に生まれた太田垣蓮月は、
家族運に恵まれない女流歌人だった。
十八歳のときに結婚。
子どもは次々に亡くなったうえ、
放蕩者の夫とは離別する羽目に。
その五年後、温厚な人柄の男と再婚したが、
今度は、わずか三年で死別。
人の世の無常を悟った彼女は、
陶芸と和歌諷詠に打ち込むが、
美人であったため言い寄る男も多かった。
すると一本一本歯を抜き、自らをわざと醜くして
男たちを追い払ったそうだ。
幕末の志士とも親交が深く、
西郷隆盛に江戸無血開城を決意させたのも
彼女の歌がきっかけだったとも言われている。
今日11月5日は、縁結びの日。
成就しない縁を受け入れるのも、また人生。