永久眞規 16年12月10日放送
1702年12月14日の雪
あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる
浮き世の月に かかる雲なし
忠臣蔵で有名な大石内蔵助の辞世の句である。
ドラマや映画では雪の降る日に描かれる
吉良邸への討ち入りだが、
実際は前日までに雪は止み、
夜明けの空に月が輝いていたそうだ。
「浮き世の月に かかる雲なし」
まさに内蔵助の晴れ晴れとした気持ちのような
空だったのだろう。
だが忠臣蔵のイメージといえば、やはり雪なのだ。
復讐の炎が似合うのは、
凍てつくような雪の降る日なのである。