村山覚 16年12月10日放送

161210-04

1998年1月8日の雪

その日は雪が降っていた。
1998年1月8日。全国高校サッカー決勝。

試合開始時の気温は0.8℃。湿度は94%。
一面まっ白に染まった国立競技場は
まともなプレーができる状態ではなかった。

前半終わって1-1。ハーフタイム中に
ゴール手前の雪がとりのぞかれた。
結果的に、そのことが試合の流れを変えた。

後半5分。東福岡高校の10番・本山が
ほんの少しだけ緑が見えるペナルティエリアに
ドリブルで切り込む。帝京のディフェンダーが
いなくなったスペースに9番・青柳が飛び込んで
逆転ゴール。

後に本山はこう語った。

「みんな覚えてくれている。
 雪があったおかげだと思います」

まっ白な雪は、
ドラマを色鮮やかにする舞台装置でもある。

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