Vincent_AF
ひとりとひとり 久世光彦と向田邦子
1960年代から80年代にかけて、
数々のヒットドラマをうみだした二人がいる。
演出家・久世光彦と
脚本家・向田邦子。
二人は何でも一緒につくった。
そして、よく電話を掛け合った。
久世は、大事な資料を無くした時に、
まず向田に電話を掛ける。
向田は、何かを思いついた時、
必ず久世に電話を掛ける。
久世は、向田が遅刻する時、
言い訳のバリエーションが少ないことを知っていた。
向田は、乳がんが見つかった時の不安を、
電話先の沈黙で久世に伝えた。
替えのきかないその関係を、久世はこんな言葉で表している。
もし、あなたのまわりに、長いこと親しくしているくせに、
指一本触ったことがない人がいたら、
その人を大切にしなさい