河田紗弥 17年1月22日放送
ジャズな一日 ~ベニー・グッドマン~
1930年代のアメリカでは、
白人と黒人が同じバンドで演奏をすることはなかった。
そんなアメリカの悪しき習慣を打ち破ったのが、
スウィングの王様と呼ばれる、ベニー・グッドマンだ。
当時は人種差別が激しく、
ホテルやレストラン、交通機関など、
多くの公共施設に、白人専用、黒人専用があるのが当たり前だった。
バンドに黒人を雇うことで、嫌がらせを受けることも、
黒人に対して偏見の目を向けている一部のファンが減ってしまうことも、
彼は、きっと予想できただろう。
しかし、ベニー・グッドマンは、
自らのバンドに、黒人のドラマーやギタリストを積極的に採用し、
当時は異例とされるようなステージを実現させることを選んだ。
彼はこんな言葉を残している。
「失ったものを数えるな。残ったものを数えよ。」
ベニー・グッドマンが残してくれたものは、
計り知れないほどに、大きかった。
きょうはジャズの日。