佐藤延夫 17年3月4日放送
スピーチの達人 シャルル・ドゴール
もはやこれまでなのか?
いっさいの希望を捨てるしかないのか?
敗北は挽回できないのか?
私の答えは「ノン!」
なにがあろうとも、フランスの抵抗の炎は消えない。
消してはならない。
これは1940年6月14日、
フランスの軍人、シャルル・ドゴールによるスピーチだ。
ドイツ軍がパリを陥落させたとき、
ドゴールは訪問中のロンドンから、
ドイツとの戦いを呼びかけた。
軍人らしく、熱を帯び、迷いなど微塵も感じさせない言い方は、
すべてのフランス国民を勇気付けた。
このスピーチの中で、のちに評価されたのは、
「フランスの抵抗の炎」という一説。
聴く人の愛国心を高め、勇気を与える、
見事な比喩表現だと言える。