大友美有紀 17年3月5日放送
kuromeri
建築家たち 西岡常一
法隆寺「昭和の大修理」を手がけ、
鬼と呼ばれた宮大工、西岡常一。
大木を使った伝統的な建築技法が途絶えそうになった時、
渾身の力を振り絞って木造の伽藍を作り続けた。
鉄の補強材を使うことには猛反対した。
鉄は百年もてばいい方で、
その後は錆びてボロボロになる。
周囲の木材を腐らせて力を受けられない状態にする。
千年もつ木の寿命を、わざわざ鉄を使って
百年、百五十年に短くすることはない。
古建築の修理を多く手がけた宮大工の言葉は、
千年先にも伝えたい言葉だ。