Minseong Kim
坂本龍馬 食べ損ねた食
倒幕と明治維新に多大な影響を与えた坂本龍馬。
彼の偉業のひとつである大政奉還の成立
一か月後のある日の夜。
彼は近江屋で中岡慎太郎に料理を振る舞おうとしていた。
「軍鶏鍋でも食おうか、買うてきいや」とそばにいた峰吉という少年に
軍鶏を買いに行かせた。
闘鶏用の地鶏である軍鶏は、他の鶏肉に比べ筋肉質で歯ごたえがあり、
噛めば噛むほど、うま味がでる。
その軍鶏を、
出汁と醤油で作った割り下とにんにくを入れて煮込むのだ。
しかし、坂本龍馬は、この鍋を食べることなく、
刺客に命を絶たれてしまう。
彼は、この軍鶏鍋をつつきながら、
中岡慎太郎とどんな話に花を咲かせようとしていたのだろうか。