「悪妻」夏目漱石の妻(鏡子)
夏目漱石と妻、鏡子の出会いは、見合いの席。
歯並びの悪さを気にもせず、
ケラケラと笑う鏡子を、漱石は気に入った。
家事が苦手。朝も苦手。
朝食をつくらない鏡子は、
良妻賢母が当たり前の時代からすれば、
立派な悪妻。
「眠いものは眠い。嫌々やってもいいものはできない。」
そう口を尖らせる鏡子に漱石は、
「それも理屈だな。」と答えた。
並の神経では、
漱石の妻は務まらなかっただろうし、
漱石は漱石になれなかったかもしれない。
「悪妻」夏目漱石の妻(鏡子)
夏目漱石と妻、鏡子の出会いは、見合いの席。
歯並びの悪さを気にもせず、
ケラケラと笑う鏡子を、漱石は気に入った。
家事が苦手。朝も苦手。
朝食をつくらない鏡子は、
良妻賢母が当たり前の時代からすれば、
立派な悪妻。
「眠いものは眠い。嫌々やってもいいものはできない。」
そう口を尖らせる鏡子に漱石は、
「それも理屈だな。」と答えた。
並の神経では、
漱石の妻は務まらなかっただろうし、
漱石は漱石になれなかったかもしれない。
「悪妻」森鴎外の妻(しげ)
森鴎外の妻、しげ。
気の強かったしげは
姑の峰子と折り合いがつかず、
実家に帰ってしまった。
失望した鴎外は、
母と嫁の諍いを書いた小説「半日」を書き上げる。
ほどなくして、なんと、しげも、
二人の新婚生活を元にした小説「波乱」を発表。
小説を通じて、二人は互いにやりあった。
実はこれ、離婚を避けるために
鴎外が考え、しげに勧めたこと。
しげは生涯、鴎外の傍にいた。
「悪妻」芥川龍之介の妻(文)
文ちゃんが昔から好きでした。
今でも好きです。
芥川龍之介に、
こんなストレートで飾り気のない
ラブレターを書かせた女性が、妻の文。
芥川が自殺した時、
文は「お父さん、良かったですね」と
声をかけたというが、
その真意は文にしかわからない。
夫亡き後も、二人の息子を
それぞれ演劇人、音楽家として
立派に育て上げた妻に、
夫は空の上でも頭が上がらないはずだ。
「悪妻」与謝野鉄幹の妻(晶子)
やわ肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
挑発的に恋を歌った、歌人、与謝野晶子。
雑誌「明星」を主宰する夫の鉄幹は、
晶子がいながら多くの女性と浮名を流した。
鉄幹は編集者としての才はあったけれど、
歌は明らかに晶子が上。
晩年の鉄幹は、日本を代表する歌人となった
晶子のマネージャーとして生きた。
晶子のそれは、耐えて終わる器ではなかった。
「悪妻」谷川俊太郎の妻(佐野洋子)
画家でエッセイストの佐野洋子は、
詩人谷川俊太郎の妻だった。
谷川さんは佐野さんと結婚して、
詩の書き方が変わってしまうほどの影響を受けたという。
一方、佐野さんは、「私は何も変わらなかった。」とピシャリ。
妻は僕のお抱え批評家で、
僕は妻のお抱え執事なんだ。
谷川さんをして、こう言わせる女性は、
佐野さんの他にいるはずもない。
Copyright ©2009 Vision All Rights Reserved.