渋谷三紀 17年4月8日放送
「悪妻」夏目漱石の妻(鏡子)
夏目漱石と妻、鏡子の出会いは、見合いの席。
歯並びの悪さを気にもせず、
ケラケラと笑う鏡子を、漱石は気に入った。
家事が苦手。朝も苦手。
朝食をつくらない鏡子は、
良妻賢母が当たり前の時代からすれば、
立派な悪妻。
「眠いものは眠い。嫌々やってもいいものはできない。」
そう口を尖らせる鏡子に漱石は、
「それも理屈だな。」と答えた。
並の神経では、
漱石の妻は務まらなかっただろうし、
漱石は漱石になれなかったかもしれない。