松岡康 17年4月16日放送
建築家の少年時代
今日はクラーク博士が
「ボーイズ ビー アンビシャス」
の言葉を残した日。
水平に長く伸びる薄い屋根。
構造から独立した石の壁が自由に配置され、流動的な空間を作っている。
近代建築の最高傑作ともいわれるバルセロナパビリオン。
この作品を設計したのが
20世紀を代表する建築家ミース・ファン・デル・ローエだ。
1886年ミースは石工一家の息子として生まれ、
幼いころから父の傍らで仕事を手伝った。
当時、建築家になるには大学で建築学を学ぶことがあたりまえの時代。
そんな時代にあって、ミースは正規の建築教育を一切受けていなかった。
彼は「ものを作る」ということを、体で学んでいったのだった。
ミースは言う。
神は細部に宿る。
机の上で学ぶのではない。手で学ぶことで、得られる境地がそこにはあった。