川野康之 17年4月22日放送
数楽者
百人一首の日その4 河原左大臣源融
歌びと、河原左大臣源融。
栄華を極めたハングリー貴族。
源融は家柄が良く才能があり、おまけに人よりも野心が強かった。
出世の道を登り詰め、権勢をほしいままにした。
京の六条に豪邸を建て陸奥の国の風物を再現したテーマパークまで造った。
その融が老いてから若い娘に恋をした。
一目惚れである。
心が乱れて、どうしていいかわからぬ。
歌を書いた。
陸奥のしのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに
この私をこんな風にきりきり舞いさせるなんて誰のせい。
みんなあなたのせいだよ。
そんな恋の歌もある。
藤原定家が選んだ100人とその歌、百人一首。