図書館の話 マルクスの図書館通い
カール・マルクスの「資本論」は、
大英博物館の図書室で書かれたと言われている。
祖国を追われ、貧しかったこともあるが
当時、世界で最も情報が集まる図書館という場が、
経済学者の思索を手助けしたとも考えられる。
30年の間、毎日のように図書館に通い続けた
マルクスが、資本論序文に書いた言葉。
学問の急峻な山路をよじ登るのに
疲労困憊をいとわない者だけが、
輝かしい絶頂をきわめる希望をもつ
図書館の話 マルクスの図書館通い
カール・マルクスの「資本論」は、
大英博物館の図書室で書かれたと言われている。
祖国を追われ、貧しかったこともあるが
当時、世界で最も情報が集まる図書館という場が、
経済学者の思索を手助けしたとも考えられる。
30年の間、毎日のように図書館に通い続けた
マルクスが、資本論序文に書いた言葉。
学問の急峻な山路をよじ登るのに
疲労困憊をいとわない者だけが、
輝かしい絶頂をきわめる希望をもつ
Damien
図書館の話 図書館の父、岡田健蔵
北方郷土資料の宝庫として有名な函館図書館には、
父と呼ばれる人がいる。
日本にまだ図書館がほとんどなかった明治42年、
私財を投じ、自宅を開放して図書館をつくった、岡田健蔵だ。
生活のすべてを図書館の活動と
資料の収集・保存に注ぎ込んだ。
貴重で高価な資料を買い集めるのも
財界人と親しくなって寄付を求めるのも、図書館のため。
岡田の家庭は、毎日の食事にも困るほど貧しかった。
そんな彼の遺言は、妻にたった一言。
誰が来ても、生前の俺のことを絶対にシャベんなよ
多くの人に慕われ、評価されながらも、
地位や名声を一切求めなかった彼らしい言葉だった。
岡田健蔵の葬儀は、彼の愛した図書館で盛大に行われた。
図書館の話 図書館の自由に関する宣言
映画化もされた有川浩のベストセラーシリーズ「図書館戦争」。
不当な校閲から、本を読む自由を守るため図書館が武装するという
エンターテイメント作品だ。
「図書館の自由に関する宣言」から構想が生まれたという。
1954年に日本図書館協会が採択したその宣言は
こんな勇ましい言葉で綴られている。
図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、
資料と施設提供することを、もっとも重要な任務とする。
図書館の自由が侵されるとき、
われわれは、団結して、あくまで自由を守る。
実は日本中の多くの図書館には、ひっそりとこの宣言が掲出されている。
図書館は、人間の知りたいという欲求を、
いつでも拒まずに、もの静かに受けとめてくれる。
「図書館の自由に関する宣言」は、
この場所が持つ強さと優しさに通じている。
図書館の話 サミュエル・ジョンソンの言葉
人は一冊の本を作るために、図書館半分をひっくり返す。
そう言ったのはイギリスの詩人、
サミュエル・ジョンソン。
その一冊にこめられた、先人たちの無限の叡智。
図書館は、そんな知恵と知識の宝庫なのだ。
なんでも瞬時に検索できる時代だけれど
宝探しのようにワクワクする
図書館での資料探しの習慣を大切にしたい。
hetgallery
図書館の話 司馬遼太郎と図書館
歴史小説家、司馬遼太郎。
十代の頃から本に目覚めて図書館に通いつめ、
大学時代も読書に明け暮れた。
愛読書は『史記』だったという。
大学卒業後、軍隊に入った司馬は、
終戦を迎えたときにこう思った。
昔の日本人はもっとましだったに違いない。
そんな思いから、その後
新聞記者の傍ら歴史小説を書き出した。
膨大な資料をもとに
時代背景や登場人物をあらゆる角度から描き、
戦国時代から明治期にいたるまでの
日本と日本人の生き方を浮き彫りにした。
作家の原点を、本に学んだ司馬は言う。
いま、自分の十代の間に
何ごとかがプラスになったかも知れないということを考えてみると、
いくらか考えても図書館しかない。
図書館の話 冬眠図書館
18種類の架空の仕事と、その従業員のインタビュー集。
タイトルは、「じつは、わたくしこういうものです」。
この中に、一風変わった図書館が登場する。
なんでも、その図書館は冬の間だけ小さな森の中に夜通し開いていて、
お夜食としてコーヒーと、パンと、シチューがふるまわれるという。
司書は、そのシチュー当番を任される重要な役職だ。
冬眠図書館は
冬眠するように本を読むための図書館です。
誰にも邪魔されず一人、本の世界にこもる。
本好きの夢が、ここにある。
sbrrmk
図書館の話 ポルトガルの幻想図書館
ブラジル・リオデジャネイロにある、「王立ポルトガル図書館」。
後期ゴシック様式で建てられ、
天窓のステンドグラスやシャンデリアは豪華絢爛。
そこに、カラフルな背表紙を持った古い蔵書が
天井近くまで積み上がっている。
その光景は児童文学に出てくる「魔法使いの学校」そのもので、
「幻想図書館」とも呼ばれている。
そして、約35万冊もの蔵書を持ちながら、
一般の人が手を触れることは一切禁止されている。
図書館なのに、閲覧できない。
おとぎ話のような図書館のありようが、リオにある。
図書館の話 40年間”延滞”された本
世間一般の『延滞』より
長い期間借りてしまいましたが、返却致します。
昨年、そんな手紙と一緒に
アメリカ・オハイオ州のデイトン・メトロ図書館に
返却された1冊の本。
差出人の住所は、約6800kmも離れたフィンランド。
そして本が貸し出されたのは、何と1970年代。
およそ40年前、差出人の弟が
交換留学生としてオハイオ州にいた時に
借りたようだ、とのこと。
さて。この話を聞いてドキッとした方がいたら、
ご自分の本棚を、確認してみてもいいかもしれません。
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