薄景子 17年4月30日放送
hetgallery
図書館の話 司馬遼太郎と図書館
歴史小説家、司馬遼太郎。
十代の頃から本に目覚めて図書館に通いつめ、
大学時代も読書に明け暮れた。
愛読書は『史記』だったという。
大学卒業後、軍隊に入った司馬は、
終戦を迎えたときにこう思った。
昔の日本人はもっとましだったに違いない。
そんな思いから、その後
新聞記者の傍ら歴史小説を書き出した。
膨大な資料をもとに
時代背景や登場人物をあらゆる角度から描き、
戦国時代から明治期にいたるまでの
日本と日本人の生き方を浮き彫りにした。
作家の原点を、本に学んだ司馬は言う。
いま、自分の十代の間に
何ごとかがプラスになったかも知れないということを考えてみると、
いくらか考えても図書館しかない。