現実を見る力
今日はクラーク博士が
「ボーイズ ビー アンビシャス」
の言葉を残した日。
映画監督、黒澤明は
幼い頃、兄に連れ出されて
関東大震災の焼け野原を見に行った。
おびただしい遺体の数。
思わず目をそむけ、怯える弟に、
「よく見るんだ、明」と兄は言った。
「怖いものに眼をつぶるから怖いんだ。
よく見れば、怖いものなんかあるものか」
のちに世界を驚かせる映画を
次々と撮ることになる明少年。
彼に大志を抱かせたのは、
現実の中の真実を見つめろ、という
兄の哲学だったのだ。