「プリンセスは大変」チタ
1989年、97年の生涯をスイスで終えた女性がいた。
チタ・フォン・ブルボン=パルマ。
ハプスブルク最後の皇帝カール1世の妃だった。
フランス王家の血統ブルボン家と
パルマ公国の流れをくむ姫君だった。
とにかくまともな家柄の王女と
結婚するように
そう言われ続けたカール皇帝のもとに嫁いだチタ。
24歳で皇后となると、斜陽のハプスブルク帝国を立て直そうとした。
けれど夢かなわず、20年にわたって亡命生活を続けた。
ハプスブルク家最後の女王は、
いつか帝国が復活することを願っていた。